プラズマは物質の第4の状態
そもそもプラズマとはどんなものなのでしょうか。
プラズマとは、固体、液体、気体に次ぐ、物質の第4の状態と言われるものです。物質に熱エネルギーや電気のエネルギーを与えると、個体から液体へ、液体から気体へと変化します。個体では強固に、液体ではゆるやかにくっついていた物質の原子や分子が、気体では互いに離れて激しく運動します。
気体にさらにエネルギーを加え続けると、原子核から電子が離れ、プラスの電荷を持つイオン(原子核)とマイナスの電荷を持った電子(e -)がバラバラに存在する状態になります。これがプラズマです。
プラス電荷を帯びた粒子とマイナスの電荷を帯びた粒子が電離した集合体とも言えますね。それぞれの粒子は、ほぼ同じ密度で存在し、電気的に中性を保っています。
プラズマの特性と活用
プラズマの特性は、高いエネルギー、非常に微細な粒子(大きさは、原子でおよそ0.1ナノメートル(1億分の1cm)、イオンや電子の大きさは原子のさらに1億分の1以下とも言われています)、発光性、微生物の殺菌作用と、さまざまにあります。こういった特性を活用する研究が進められており、すでに幅広い分野で実用化されています。
たとえば、半導体の表面を加工したり、ミクロ単位の回路を作ったりと、プラズマ活用はナノテクノロジーの分野ではなくてはならないものになっています。
身近なところでは、蛍光灯もプラズマです。プラズマディスプレイを搭載したテレビは、プラズマが放電する際に発光する性質を利用して、精細で鮮明な画像を映し出すことができます。プラズマ放電で発生するイオンを利用してカビや細菌を抑制する空気清浄機なども、よく知られていますね。
宇宙や自然でのプラズマ
宇宙空間では、プラズマはごくありふれた状態です。宇宙の質量の99.9%がプラズマ状態と言われています。また、地球は荷電粒子に覆われており、弱いプラズマに囲まれています。
雷(稲妻)やオーロラなどの自然現象もプラズマ現象です。雷の光の筋は、プラズマの通り道なのです。炎や金属の内部も、一種のプラズマといえます。